神々しかった早朝の御嶽神社
いざ、武蔵御嶽神社へ
【JR御岳駅】
夜が明けきらないJR青梅線の「御岳(みたけ)」駅。
平日の朝7時台とあって降りる人は数人。
趣のある駅舎を出ると、すぐ近くに山が迫ってくる。
駅舎は2019年に神社風のデザインにリニューアルされたらしい。
幸い風はなかったが気温は氷点下3度くらい。土の匂いを含んだ冷気が身を包む。
近くのバス停から西東京バス(ケーブル下行き)でケーブルカー乗り場に向かう。
健脚の人は歩いて行くそうだが、根性と時間がないので・・・。
【ケーブルカー滝本駅】
バスで冬枯れの山道を走り10分弱で御嶽登山鉄道の滝本駅に。
駅舎は広々として明るい雰囲気。あちらこちらに「ソーシャルディスタンスの確保」を呼びかける張り紙が。
近くに広い駐車場があるので、夏の登山シーズンや初詣の時期は賑わうのだろう。
ケーブルカーの運賃は往復1130円。
地元の人らしき人以外は、登山客とおぼしき女性が一人だけ。
発車ベルに続いて鳴るクラクションのような音がデカくてびっくり。
急こう配をゆっくり上り、6分ほどで山頂駅に着く。
ケーブルカーの山頂駅を降りると忽然と視界が開け、広場に出る。
"西のまもりの神社"とされただけあり、はるか都心の方向を俯瞰できる。
ちなみにトイレはこちらでお借りして済ませておいたほうがよい。
広場には土産物店もあるがまだ開いていない。
ここから御嶽神社を目指す。朝陽まぶしい杉木立の中を、いざ。
途中、何軒もの宿坊がある。いずれも風情たっぷりのたたずまい、関東の霊山として永く信仰を集めてきた歴史を感じる。
かなりきつい坂道と階段をひたすら登る。大丈夫か俺の心臓。
少し前に降った雪が日陰に残っていて用心が必要。トレッキングシューズだと安心。
神門からも階段が続く。登り始める直前まで階段の数を数えようと思っていた、ことをここで思い出す。最近は万事こんな調子。
ケーブルカー山頂駅から歩くこと25分。
御岳山山頂(標高929m)にたたずむ本殿は、朝日に照らされて厳かそのもの。
鎌倉時代には「御嶽蔵王権現」と呼ばれていたそうで、盗難除け、魔除けのほか関東の農業を守る豊作の神様として信仰を集めたという。
ここに1月中に参拝したかったのは、農業の明るい先行きを願いたかったから。
コロナ禍で苦心惨憺している人や業界は想像を超えているが、とりわけ食を支える農業をこれ以上衰退させてはならないと思う。
敷地には、白い狼を祀る「大口真神(おおくちまがみ)」など、興味深く歴史のある社がたくさんあるようだ。時間があるときにゆっくり来たい。
朝が早いだけに参拝客はほとんどいなかった。密になる前にお守りを求めて帰路に。
体も冷えたので蕎麦をたぐりたかったが土産物店はまだどこも開いていない。
ケーブルカーで滝本駅に戻ると、お土産を発見。適当に選んでいたら、「きびもち大福」が美味しいよ、と駅の人が声をかけてくれたので言われるまま買う。
なぜ急いでいたかというと、このあと午前中に町内会の関係でオンライン打ち合わせ、なるものが予定されていたからなのだ。
しかしあとから考えれば、その打ち合わせこそ不要不急だった・・・。
【あとがき】
きびもち大福は、きびの味がしっかりして素朴な甘さ、とても美味しかった。欲を言えばきびの"つぶつぶ感"がもう少し残っていてもよかったかも。
体力と気力があればもっと遠征してみたいが、自分には丁度いい山歩きだった。
「屈指のパワースポット」というネット記事を見かけるが、自分自身はパワーをもらうことにあまり関心はない。
「パワースポットに行く人って、もう十分パワーに満ちていますよ」という誰かのエッセイをふと思い出した・・・。
とは言え、無事参拝できて家にたどり着けたのは、間違いなく神様のパワーのお陰と思うのである。